〜東北・関東大震災に際して〜
株式会社DDO 代表取締役社長 鈴木 滿
このたびの東北・関東大震災に際しまして、直接の被害に遭われた皆様方に、心からお見舞いを申し上げます。
実は、このDDOで働く人間も東北に縁のある者が多く、私も出身地は福島県いわき市です。父親の実家、それから先祖代々の墓もすべていわき市平薄磯にあり、「海紀荘(かいきそう)」という民宿を営んでいました。
ここが地震による津波で壊滅的な被害を受け、実家も、お墓もすべて流されてしまったという情報が入ってきております。また、小さいころから世話になってきた伯母と連絡が取れなくなっているという事態も起きています。
また、社員の一人は仙台市に家があり、家族と離れて勤務をしておりました。地震後、割合に早い段階でご家族の無事は確認ができましたが、家の様子、生活の様子など、心配は募っているはずです。
首都圏でもさまざまに混乱が続く中、お世話になっているクリニックの院長先生のご紹介で、東洋経済新報社の記者である岡田広行さんと知り合うことができました。DDOが事務局を務める日本心臓血管麻酔学会に取材のお申し込みをいただき、役員の野村実先生にお話をうかがう機会に同席いたしました。
この出会いにより、ジャーナリストの皆さんが非常な使命感と危機感をもって今回の難局に立ち向かって活動していらっしゃることを知りました。
同時に、私も、社員も、前述いたしましたように自分自身のことや家族、親族の危機に気持ちを奪われ、会社として、社会に対して何をさせていただけるのかを考える余地がなかったことに気が付きました。災害発生からずいぶん経ってしまってからのことで、非常に申し訳なく、反省をしております。
私どもは、医療・介護・福祉の分野で総合コンサルティングを事業内容としております。ありがたいことに、大学医局、病院、クリニック、介護施設等々とのネットワークがあり、このネットワーク力を活かして今回の大震災に対処する方策を準備中です。
今回のような大規模災害からの復興には、長い期間と多くの労力を必要とします。また、復興への段階に応じて、その時々に必要な情報が異なることが当然で、また、以前には生じなかった新しい問題や障害がいろいろと起きて来ることも考えられます。
現場で実際に何が起き、どのような窮状にあるのか、ということをお寄せいただき、それらを当社のホームページや関連サイト、ブログを通じて社会に訴えるお手伝いができるのではないかと思っています。
また、上に述べましたように、今回東洋経済新報社の岡田さんと連携する機会を得、今後こうしたマスコミやメディアを通じての情報発信に現場の皆様の声をつないでいくこともできると思います。取材を受けるという待ちの姿勢ではなく、伝えるべきこと、伝えた方が良いことを発信者側が積極的にメディアへ働きかけていく、その中継役としてDDOを使っていただくということです。
また、情報の収集や発信が可能になってその量が増してきますと、有効なものとそうでないもの、適切なものとそうでないものなどとの混乱が拡大してくることも考えられます。たくさんの情報をいったん集約させていただくことで、その整理をする事務局的な役割を担うことができるのではないかとも考えています。
医療・介護・福祉の分野において専門家の方々とのネットワークがありますので、その力を十分に活用できるだろうと思います。
ガソリンほかの物資や食料の不足、寒さへの対策、避難生活が長期化した場合の健康管理、そのための医療体制の維持など、対処しなければならないことは山積しています。
また、病院や介護施設で高齢者の生命が危機にさらされているなど、非常に痛ましい報道も入ってきています。
被災現場でこうした窮状に直面している方々は、きっと目の前の事態の打開に必死であり、そのことを広く社会に訴えたいとは思っていらっしゃるものの、どうすればそれが可能かといったことまで気持ちや労力を振り向けるゆとりはないであろうと推測します。
それをDDOで受け止めさせていただき、世の中で発信することでお役に立てると考えて、今回緊急のお知らせを申し上げる次第です。
どうぞ、共にこの難局を乗り越えるために力をお貸しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
- 医療・介護・福祉に携わる皆様への緊急発信 (2011-03-18)