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2011-09-28
本日の日本経済新聞に、大阪大学歯学部の大嶋隆教授、和田孝一郎准教授や、浜松医科大学薬理学教室の梅村和夫教授らの研究グループが、虫歯菌(う蝕病原菌)に脳出血を促すタイプが存在することを突き止めた、というニュースが掲載されました。保菌者の脳出血発症リスクは、そうでない人の4〜5倍に上ると言われています。この研究をまとめた論文が、9月28日、イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。
この特殊なタイプのう蝕病原菌は、血管の内壁が傷つくとそこに結合するたんぱく質を作る性質があり、傷を治りにくくするとのことです。
日本人の8%がこの型の菌を保有しており、脳出血患者を調べたところ、約3割にこの菌が見つかったと報告されています。患者から採取した菌をマウスに投与したところ、脳に出血が見られ、さらに、脳出血を起こしたマウスにこの菌を投与すると、出血面積が5〜6倍に広がったそうです。
人の口の中にはう蝕病原菌と歯周病菌が存在し、これまで歯周病菌が心臓病などに悪影響を及ぼすことは知られていましたが、う蝕病原菌に関する報告はほとんどなかったと言います。
高齢者施設などで口腔ケアの重要性が言われており、このことに関するまた新しいエビデンスが報告されたことになります。
(参考、引用 9月28日付日本経済新聞)
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