【臨床】
東京女子医科大学心臓血管外科は、1951年に榊原仠先生による本邦第1例目の動脈管開存症の手術以来、60年以上にわたって、我が国心臓血管外科のLeading Instituteとして、社会に貢献してまいりました。新生児から高齢者まで、あらゆる心臓・大血管疾患の外科治療を行い、手術症例数は国内最多で、3万5000例を超えております。
これまでに当科より発信された革新的業績は、Konno手術、心筋バイオトームの開発、世界初の再生医療による自己組織血管(Tissue-Engineering Graft)の臨床導入など枚挙に暇がありません。
最近においては、循環器疾患の最後の砦といわれる重症心不全に対して、心臓血管外科、循環器内科、循環器小児科、感染症科、精神科、リハビリテーション科、看護師、薬剤師、臨床工学技士など、多職種にてチームを形成し、治療にあたっています。当施設は、国内心臓移植実施9施設の1つとして心臓移植を行うとともに、植込み型補助人工心臓・EVAHEARTを積極的に使用した重症心不全治療を展開しています。EVAHEARTの使用実績は、国内最多であり、質の高い重症心不全治療を提供できるものと自負しております。
年々増加傾向にある大動脈疾患に対して、低侵襲であるステントグラフト内挿術を積極的に行っています。腹部大動脈瘤はもちろんのこと、今までステント治療が不可能であった弓部大動脈瘤に対しても開窓型ステント(Najuta)を使用することで、治療を可能としました。現在、Najutaは国内主要施設にて、多施設臨床治験を施行中です。
先天性心疾患治療は、Fontan型手術、Rastelli手術、Arterial Switch手術、Norwood手術など、国内有数の診療実績を誇っております。最近では、成人先天性疾患に対しても積極的に治療を行っております。
【研究】
より良い医療を提供するためには、現在の治療方法に満足することなく、次世代に目を向けた研究が不可欠です。2008年4月に、東京女子医大と早稲田大学による医工融合研究教育拠点である「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設: TWIns」がオープンしました。TWInsでは、人工心臓に関する基礎研究、心筋再生のためにの「心筋シート」など、早稲田大学理工学部のEngineerと医工連携の下、研究が行われています。
【教育】
教育は、当科にとって、臨床、研究と並ぶ重要事項です。一流の心臓血管外科医を育成すべく、臨床研修プログラムを用意しています。初期研修修了後の入局希望医師を対象とし、その後5年間を当科医療練士として大学および関連研修施設にて臨床研修を行います。関連研修施設は、北は仙台、南は熊本にまで及び、当科と関連病院を併せた総手術件数は、年間約4000例に達します。日本の年間心臓血管外科手術数が約57000件ですので、全体の約7%の症例は、東京女子医大心臓血管外科関連病院で行われていることになります。豊富な症例数と優れた指導医の指導の下、一流の心臓血管外科医の育成に力を注いでいます。
東京女子医科大学病院心臓血管外科ホームページ
見学希望、問い合わせ等ございましたら医局長、医局秘書までお問い合わせください。
TEL:03-3353-8111、内線23111
医局長 津久井 宏行
医局秘書 surg@hij.twmu.ac.jp